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  • 林直樹・杉山大志(2011):農業の多面的機能の評価方法の問題点について.電力中央研究所社会経済研究所ディスカッションペーパー,SERC11023.

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    1. 目的

    農業には,農産物の生産以外にも多くの機能があり,それらは「多面的機能」と呼ばれている。例えば,水田は雨水を一時的に貯留することで,治水ダムのように,洪水防止に貢献しているといわれている。多面的機能の多くは,公益的なものであり,近隣の農家でなくとも,それらの恩恵を受けることができる。そして,多面的機能の経済評価は,洪水防止機能だけでも,年間数兆円にのぼるといわれている。

    さて,栗山*1によると,多面的機能を評価する目的は,「これだけの価値を受けているのだから国民も一部を負担すべきだ」と主張すること,農林業の現状維持に対する国民負担を正当化することにあるという。この場合,国民負担は,公益的な多面的機能への対価と位置づけられている。実際に,多面的機能の評価は,農林業の現状維持に対する国民負担を正当化する場合に使用されることが多い。例えば,中山間地域等直接支払制度の目的も,多面的機能の確保となっている*2

    しかし,国民負担の根拠とすることを念頭に置いて,農業の多面的機能の評価方法を分析すると,水質汚染が考慮されていないといった多くの問題が見えてくる。本稿の目的は,農業の多面的機能の一つ一つについて,評価方法の問題点,主にフレームワークの問題を明らかにすることである。なお,経済評価が1兆円を超えるもの(人間性の回復は除く)については改善案も示す。

    2. 分析の視点

    2.1. 負の効果が考慮されているか

    例えば,水田は水質を改善するといわれているが,水田自体が肥料や農薬によって水質を悪化させているという側面もある。国民負担を多面的機能への対価と位置づけるのであれば,負の効果も考慮しなければならない。このような負の効果を考慮しなければ,導き出された評価も説得力を持たない*1

    2.2. 受益者が存在しないものが除外されているか

    農業の多面的機能が存在していても,それが必ずしも国民に利用されているとは限らない。例えば,図1のように,下流部が無人の場合,その水田の洪水防止機能の受益者は存在しない。国民負担を多面的機能の対価と位置づけるのであれば,正の効果があるとしても,受益者が存在しないものは除外すべきである。

    図1

    2.3. 農業以外の土地利用と比較しているか

    機会費用原理によると,農業の維持に対する国民負担を正当化するためには,農業以外の土地利用と比較して,機能が等しい(あるいは高い)こと,なおかつ,維持費が安いことを示さなければならない(速水・神門*3)。もしも,農業以外の土地利用のほうが機能において高く,維持費も安い場合は,農業ではなく,そちらを維持することが支持される。国民負担を正当化するための議論においては,農業以外の土地利用,しかも現実的な土地利用との比較検討が不可欠である。

    現実的な比較対象としては,図2のような草地,森林,湿地などが考えられるが,何が適切かは,土壌,地形,気候,労働力などによって決まるものであり,一つとも限らない。つまり,全国一律に,例えば森林に対する農地の評価額を求めても,実務においては,あまり意味がないことを付け加えておく。そのような評価額は,全体の傾向を把握するための値にすぎない。

    図2

    詳しくは第4章で説明するが,多面的機能の経済評価の多くは,機能が無い状態,洪水防止機能であれば,雨水が一切貯留されない状態と比較している。あえていえば,地表面をコンクリートで覆ったような状態であるが,これは非現実的な状態であり,農業以外の土地利用と比較したことにはならない。

    2.4. 技術的な仮定に大きな問題はないか

    多面的機能の評価においては,豪雨時の水田の有効貯水量といった実際の農業生産とは,あまり関係のないデータが必要になるが,観測データが存在することは,むしろまれであり,多くの技術的な仮定に基づく推計値が使用されることが多い。前述のように,本稿の目的は,フレームワークの問題点を指摘することであるが,技術的な仮定などについて,非現実的なものが見つかった場合は,問題点として指摘する。

    3. 分析の対象

    本稿の分析対象となった資料は,日本学術会議の『地球環境・人間生活にかかわる農業及び森林の多面的な機能の評価(答申)』*4(以下「答申」),および,その関連付属資料*5(以下「付属資料」)である。この答申および付属資料は,多面的機能評価としては最も有力であり,現在でも政府などで広く利用されている*6。また,これらに関連する一般向けの小冊子*7も参考にする。

    答申で取り上げられた農業の多面的機能は下の枠内のとおりである。このうち,付属資料で経済的に評価されたもの,すなわち,洪水防止,河川流況の安定,地下水かん養,土壌侵食防止,土砂崩壊防止,有機性廃棄物分解(処理),気候緩和,人間性の回復(保健休養・やすらぎ)の評価方法について分析する。

    答申で取り上げられた農業の多面的機能

    4. 分析の結果

    4.1. 洪水防止

    洪水防止

    問題点: 3つの問題点が見つかった。第1に,受益者が存在しないもの,例えば,図1のような下流部が無人の水田,海岸付近の丘陵地の水田などが除外されていなかった。国民負担を多面的機能への対価と位置づけるのであれば,受益者が存在しないものは除外すべきである。ただし,排水機場が必要になるほどの低平地の水田については,受益者が存在しないものが除外されていた。むろん,低平地水田のすべてが除外されていたという意味ではない。

    第2に,3兆4988億円/年という評価額は,機能が無い状態,すなわち,雨水が一切貯留されない状態に対するものであった。これは非現実的な状態であり,農業以外の土地利用と比較したことにはならない。前述のように,国民負担を正当化するための議論においては,農業以外の土地利用,しかも現実的な土地利用との比較検討が不可欠である。

    第3に,水田には畦畔の高さまで雨水が貯留されると仮定していたが,これは著しく非現実的なものである。雨が激しいとき,農家は田に水を張らないからである(宇根*8)。水田の有効貯水量の推計値は,著しく過大になっていると考えられる。

    改善案1: 水田には畦畔の高さまで雨水が貯留されるという非現実的な仮定を改める。仮に水が貯留されたとしても,5cm〜10cm程度*9であろう。ここでは整備田,未整備田を区別せず,一律7.5cmと仮定する。また,畑については放棄されても大きな変化はないと思われるため,評価から除外する。この2点を改善すると,全国の水田の有効貯水量は11億m3となった*10

    一方,付属資料は,畑を含めて,全国の有効貯水量59億m3に対するダムの費用(減価償却費+維持管理費)を,3兆4988億円/年と評価している。有効貯水量1m3当たりでみると,年間596円である(全国一律)。この値を用いて,11億m3に対するダムの費用,すなわち,洪水防止機能の評価額を求めると,6335億円/年となった。

    なお,最大水深を7.5cmから1cm引き下げると,評価額は4927億円/年に,1cm引き上げると7743億円/年になった。最大水深に関する厳密なデータがない状況にあって,これらの評価額は,非常に低い精度であることを明記しておく。

    また,これらの評価額も,機能が無い状態に対するものであることに変わりはない。農業以外の土地利用と比較すれば,評価額は大きく低下する。受益者が存在しないものを除外すれば,さらに低くなるであろう。

    改善案2: 森林に対する水田の洪水防止機能の評価額を求める。付属資料は,森林の洪水緩和機能の評価額を,機能がほとんど無い状態に対して,6兆4686億円/年とみている。今,この評価には大きな問題はないと仮定する。森林面積を2509.7億m2とすると*11,1m2当たり,年間26円である。そして,この値に評価対象の水田面積*12を掛け合わせると,6093億円/年となった。これが森林に置き換えたときの評価額である。

    改善案1の評価額は,機能が無い状態に対して,6335億円/年であったが,森林と比較した場合,すなわち,改善案1の評価額から森林に置き換えたときの評価額を差し引いた場合は,242億円/年に低下した。受益者が存在しないものを除外すると評価額がさらに低くなる点は,改善案1と同様である。

    なお,ここでは比較対象として森林を選択したが,これが最適ということではない。草地や湿地と比較する場合の評価方法も必要である。

    4.2. 河川流況の安定

    河川流況安定

    問題点: 3つの問題が見つかった。第1に,水資源かん養という点でみたときの負の効果,すなわち,(1)取水時の河川水などの減少,(2)農薬などの地下水汚染が一切考慮されていなかった。つまり,1兆4633億円/年という評価額は過大であると考えられる。なお,アメリカにおいては,農林業の環境保全ではなく,環境破壊のほうが注目されているという*1。環境破壊に注目するという点については,わが国も見習うべきであろう。

    第2に,洪水防止機能の場合と同様,受益者が存在しないものが除外されていなかった。利用されることなく,そのまま海に向かう水も少なくないはずである。図1のように,下流部が無人の場合,洪水防止機能だけでなく,河川流況の安定機能の受益者も存在しない。

    第3に,1兆4633億円/年という評価額は,機能が無い状態,すなわち,水田から地下を経由して河川に向かう水の流れが一切存在しない状態に対する評価額であった。これは非現実的な状態であり,農業以外の土地利用と比較したことにはならない。

    なお,河川還元率,すなわち,地下に浸透した水のうち,河川に向かう割合については,利根川水系のものを全国にあてはめている可能性がある。そうであれば,開発流量の精度は,かなり低いと思われる。ただし,原典が確認できなかったため,今回,問題として指摘することは見送る。

    改善案1: 草地に対する水田の機能の評価額を求める。この場合,かんがい用水,すなわち,外部から流入する水はなくなり,水の供給は雨水だけとなる。前述の負の効果,水質汚染などの問題は消滅する。草地からの地表水の流出はないと仮定すると,全国の水田を草地に置き換えたときの開発流量は,409m3/秒となった*13

    一方,付属資料は,全国の開発流量623m3/秒に対するダムの費用を1兆4633億円/年と評価している。開発流量1(m3/秒)当たりでみると,年間23億円である(全国一律)。この値を用いて,409m3/秒に対するダムの費用,すなわち,草地の機能の評価額を求めると,9606億円/年となった。ただし,これは機能が無い状態に対する評価額である。

    水田の機能の評価額は,機能が無い状態に対して,1兆4633億円/年であったが,草地と比較した場合は,5027億円/年に低下した。なお,前述の負の効果,水質汚染などを考慮すると,評価額は大きく低下する。受益者が存在しないものを除外すると,評価額はさらに低下するであろう。

    改善案2: 森林に対する水田の機能の評価額を求める。付属資料は,森林の水資源貯留機能の評価額を,機能がほとんどない状態と比較して,8兆7407億円/年と評価している。森林1m2当たりでみると,年間35円である。そして,この値に水稲作付面積*14を掛け合わせると,5165億円/年となった。これが森林に置き換えたときの評価額である。

    水田の評価額は,機能がない状態と比較して,1兆4633億円/年であったが,森林と比較した場合は,9468億円/年に低下した。負の効果などを考慮すると評価額がさらに低くなる点は,改善案1と同様である。

    参考: 付属資料の評価額は,水田単独ではなく,水田とかんがい施設をあわせた場合の評価額とみるべきである。参考のため,水田に直接降った雨水が作り出す開発流量と,その評価額を求める。

    水田が消費した水(土壌浸透+蒸発散)に対する雨水の割合は,27.6%となった*15。それ以外は外部から流入した水,すなわち,かんがい用水の割合である。付属資料の開発流量は623m3/秒であるが,このうち雨水が作り出したものは172m3/秒,全国一律のダムの費用でみると4040億円/年となった。これは機能が無い場合と比較した場合の評価額であるが,草地や森林のものより低い。評価額は負の値で,草地に対して,-5566億円/年,森林に対して,-1125億円/年となった。

    4.3. 地下水かん養

    地下水かん養

    問題点: 2つの問題が見つかった。第1に,河川流況の安定機能と同様,水田による水質汚染などが考慮されていなかった。負の効果を考慮すれば,評価額は低下する。第2に,537億円/年という評価額は,機能が無い状態,すなわち,地下への水の浸透がない状態に対するものであった。草地や森林であっても,雨水は地下に浸透して,その一部は地下水となる。これらと比較した場合の評価額を求めれば,かなり低くなると考えられる。

    4.4. 土壌侵食防止

    土壌侵食防止

    問題点: 受益者が存在しないものが除外されていなかった。例えば,下流部が無人の場合,土壌侵食防止機能の受益者は存在しない。

    3318億円/年という評価額は,耕作放棄地に対するものであった。つまり,洪水防止機能などの評価方法とは異なり,現実的な土地の状態と比較していた。ただし,具体的な状態は明記されていなかった。耕作放棄地は,放棄直後は裸地であろうが,草地や森林に変化する。どの時点を評価するにしても,具体的な説明が必要である。

    なお,水田の場合,代かき・田植え時に,かなりの土壌が流出する。例えば,琵琶湖の濁水問題は,水田が引き起こす環境問題として有名である。ただし,今回,そのような負の効果が考慮されているかどうかは確認できなかった。土壌侵食防止の評価方法に限られたことではないが,計算の省略など,付属資料には説明不足が多いことを付け加えておく。

    4.5. 土砂崩壊防止

    土砂崩壊防止

    問題点: 4782億円/年という評価額は,具体的な状態は明記されていなかったが,耕作放棄地に対するものであった。耕作放棄地についての具体的な説明が必要である点は,土壌侵食防止機能の場合と同様である。

    ただし,土砂崩壊防止機能については,これまでとは別の角度から,問題点を指摘しておく。この評価で取り上げられている「地すべり」の面積は,あまり広くない*16。受益者が限定的であるとすれば,土砂崩壊防止機能のすべてを公益的な機能とみなすことは難しいのではないか。公益的な機能とみなすことができるものに限定した場合,評価額はかなり低下するであろう。

    4.6. 有機性廃棄物処理

    有機性廃棄物処理

    問題点: 123億円/年という評価額は,有機性廃棄物の処理能力がまったくない状態に対するものであった。ただし,物質循環という点まで考慮すれば,自然の草地や森林の処理能力は低いと思われる。今回は,これらと比較した場合の評価額とみなす。有機性廃棄物処理の評価方法については,大きな問題は見られなかった。

    4.7. 気候緩和

    気候緩和

    問題点: 水田による気温低下は1.3℃となっているが,サンプル数が非常に少なく*17,全国にあてはめることには,かなりの無理があると判断する。

    87億円/年という評価額は,市街地に対するものであった*17。この先,市街地に変化する水田は,おそらく少数であろう。確かに,現実的な土地利用と比較しているが,市街地と比較することに大きな意味があるとは思えない。

    4.8. 人間性の回復(保健休養・やすらぎ)

    人間性の回復

    問題点: 2兆3758億円/年という評価額は,農村での保健休養を目的とした旅行が無い状態に対するものであった。これでは現実的な土地利用と比較したことにはならない。ある場所から農林業が完全に消滅しても,その場所への旅行者がいなくなることはない。このような最悪に近い状況と比較しても,評価額は,かなり低下するであろう。

    4.9. まとめ

    分析の結果を表1にまとめた。現時点で,国民負担を正当化するための議論に使用できそうなものは,有機性廃棄物処理(123億円/年)だけであった。洪水防止機能と河川流況の安定機能については改善案を示した。改善案にも問題は残されているが,付属資料の評価額より,大幅に低くなった。

    表1

    5. 多面的機能評価を活用するために

    本稿は,多面的機能を,現状維持に対する国民負担の根拠とすることを念頭に置いて,機能の評価方法の問題点を指摘した。前述のように,現時点で現状維持を肯定するために使用できそうな評価は,有機性廃棄物処理についての評価だけであった。これらの結果は,農業の多面的機能を活用して,まち・むらづくりを進めようとするかたにとって,歓迎できないものかもしれない。

    なお,本稿は,多面的機能を維持するための公的な負担についての是非を論じたものであって,多面的機能が無いといっているのではなく,また,多面的機能を守るための私的な取り組みを否定しているものでもない。

    第2章で触れたように,多面的機能の評価は,農業以外の土地利用の維持に対する国民負担を正当化する際にも使用できる。農業を維持するとしても,農業以外も含めた土地利用の再構築を目指すとしても,多面的機能の評価方法については,いまいちど見直す必要がある。

    *1 栗山浩一「農林業政策における環境評価の役割」『林業経済研究』46(1),69-74,2000

    *2 耕作放棄地の増加等により多面的機能の低下が特に懸念されている中山間地域等において,農業生産の維持を図りつつ,多面的機能を確保するという観点から,国民の理解の下に,直接支払を実施する(農林水産省『中山間地域等直接支払制度骨子(平成11年8月 中山間地域等直接支払制度検討会)』1999)

    *3 速水佑次郎・神門善久『農業経済論 新版』岩波書店,pp.290-295,2002

    *4 日本学術会議『地球環境・人間生活にかかわる農業及び森林の多面的な機能の評価について(答申)』2001

    *5 三菱総合研究所『地球環境・人間生活にかかわる農業及び森林の多面的な機能の評価に関する調査研究報告書』(日本学術会議『地球環境・人間生活にかかわる農業及び森林の多面的な機能の評価について(答申)』の関連付属資料)2001

    *6 農林水産省,愛知県農林水産部,新潟県農地部,吉野側北岸土地改良区など。

    *7 農林水産省・農村環境整備センター『21世紀への提言 Solution 農業・農村の多面的機能を見直そう』

    *8 宇根豊「「生物多様性」と「多面的機能」を百姓は実感できるのか」『日本作物学会紀事』69,277-285,2000

    *9 畦畔には必要以上に水がたまらないように切れ込みが入っている。その部分の高さは,5cm〜10cm程度である(京都府の農家の話)。

    *10 有効貯水量=(最大水深7.5cm−平均湛水深3cm)×評価対象の水田面積23,640km2。評価対象の水田面積=全水田面積24,850km2−低平地水田面積4,842km2+低平地水田面積×洪水防止機能受益率0.75。全水田面積(本地面積)は,2000年の全国の値(農林水産省『耕地及び作付面積統計・長期累年』2007)。低平地水田面積は,別の資料の値を使用(農業総合研究所「農業・農村の公益的機能評価検討チーム」『代替法による農業・農村の公益的機能評価』1998)。

    *11 林野庁『平成23年版 森林・林業白書』全国林業改良普及協会,2011

    *12 注10の「評価対象の水田面積」と同じ,23,640km2

    *13 開発流量=地下に浸透する雨水の量545(m3/秒)×河川還元率0.75。地下に浸透する雨水の量=(降水量4.63(mm/日)−蒸発散量1.45(mm/日))×低平地水田以外の水稲作付面積14,830km2÷(24時間×60分×60秒)。降水量は全国の値(国土交通省水管理・国土保全局水資源部『平成23年版日本の水資源』2011),1,690mm/年→4.63mm/日。蒸発散量は草地のもので,近藤が既往の文献から集めたデータ(第1表の33〜35)の平均(近藤純正「蒸発散量と降水量の気候学的関係―研究の指針」『天気』45(4),269-277,1998)。低平地水田以外の水稲作付面積は,別の資料の値を使用(農業総合研究所「農業・農村の公益的機能評価検討チーム」『代替法による農業・農村の公益的機能評価』1998)。

    *14 注13の「低平地水田以外の水稲作付面積」と同じ,14,830km2

    *15 雨水はすべて水田で消費されると仮定する。(降水量5.77(mm/日)÷水田減水深20.9(mm/日))×100。4〜9月の183日をかんがい期間とする。その期間の降水量は,観測点の平均で,1056mm(国立天文台『理科年表 平成23年(机上版)』丸善,2010),つまり,5.77mm/日。水田減水深(水田が消費した水)は,20.9mm/日(整備田22.8と未整備田19.0の平均)。

    *16 地すべりの面積は,最大級でも100haであり(斜面防災対策技術協会ホームページ),1集落の平均面積239.8haよりも狭い(農林水産省『2000年世界農林業センサス・第9巻』)。なお,地すべりの移動速度は0.01〜10mm/日程度(同ホームページ)であり,いわゆる「がけ崩れ」とは,まったく異なる。がけ崩れの面積は,地すべりよりも狭い。

    *17 農業環境技術研究所「都市近郊水田の夏期最高気温低減効果」『農業環境研究成果情報』13(平成8年度成果),1997(http://www.niaes.affrc.go.jp/sinfo/result/result13/index.html





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