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    2005年-2040年の人口増加率

    2005年〜2040年の人口増加率 2005年〜2040年の人口増加率凡例
    (上の図はクリックすると拡大表示されます)

     上の図は,2005年〜2040年の区画別の人口増加率である。ひとつの区画の大きさは,約10km×10kmである(面積は100km2とみなした)。人口増加率は,次の式で計算された。

    人口増加率={(2040年の将来推計人口−2005年の人口)÷2005年の人口}×100

     区画別の人口推計では,出生・死亡だけでなく,転入・転出も考慮したが,データが不十分であるため,東日本大震災の影響は考慮できなかった。この図から,大半の区画で人口が大きく減少することがわかる。

     この先,財政の収入は大きく減少すると思われる。しかし,なりゆきまかせの場合,人口が著しく減少しても,道路などの維持をあきらめることは難しい。道路などの維持費が財政を大きく圧迫する可能性がある。


    2040年の人口密度

    2040年の人口密度 2040年の人口密度凡例
    (上の図はクリックすると拡大表示されます)

     上の図は,2040年の人口密度(人/km2)である(注1)。北海道以外でも,赤色(1人/km2未満),オレンジ色(1〜10人/km2未満)の区画が多数見られる。なお,2000年の山間農業地域の人口密度は,26.9人/km2であった(注2)。それと比較しても,赤色,オレンジ色の人口密度は,かなり低いといえる。


    2005年の「65歳以上の人口の割合」

    2005年の「65歳以上の人口の割合」 2005年の「65歳以上の人口の割合」凡例
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     上の図は,2005年の「65歳以上の人口の割合」である。近年,農村での高齢化が大きな話題となっているが,それでも,赤色(50%以上)の区画は,一部にとどまっている。


    2040年の「65歳以上の人口の割合」

    2040年の「65歳以上の人口の割合」 2040年の「65歳以上の人口の割合」凡例
    (上の図はクリックすると拡大表示されます)

     上の図は,2040年の「65歳以上の人口の割合」である。「50%以上」の区画が大多数を占めるようになる。これでは,「外の力を借りようにも,どこも高齢者ばかり」となる可能性がある。危機をあおるつもりはないが,2040年の高齢者,すなわち,現在の30代後半〜50代前半の世代は,たいへんな生活を覚悟しておいたほうがよいかもしれない。なお,この先,農用地の増減がないと仮定すると,「50%以上」の区画にある農用地の割合は,0.56%(2005年)から,19.32%(2040年)に上昇する(注3)


    (注1)海を除いた面積は,国土数値情報の「平成18年・土地利用メッシュ・日本測地系」から計算した。
    (注2)2000年世界農林業センサス報告書(第9巻)より。ただし,1戸当たりの人口は,2.67人と仮定した(平成12年国勢調査より)。
    (注3)国土数値情報の「平成18年・土地利用メッシュ・日本測地系」から農用地の面積を求めた。


    人口推計の方法

    使用データ

    (1)平成17年国勢調査・地域メッシュ統計・日本測地系(統計情報研究センター)
    (2)平成12年国勢調査・地域メッシュ統計・日本測地系(統計情報研究センター)

    概要

     コーホート変化率法を使用して,2次メッシュの区画別に,将来推計人口を求めた。年齢不詳の人口は無視した。婦人子ども比は「(0〜4歳人口)÷(女子15〜49歳人口)」とした。実際の人口から計算された区画別のコーホート変化率,婦人子ども比,子ども性比(2005年)は,変化しないと仮定した。

    ゼロ除算問題,過大・過小評価問題への対応

     コーホート変化率は,ゼロ除算により計算できないことがある。また,計算できたとしても,人口が少ない場合,過大・過小評価となる可能性がある。

     これらの問題は,次の方法で解決した。コーホート変化率のひとつに注目して,第1四分位値,中央値,第3四分位値を求める。ただし,ゼロ除算のセルは無視する。次の式により,上限値と下限値を計算する。

    上限値=第3四分位値+1.5×(第3四分位値−第1四分位値)
    下限値=第1四分位値−1.5×(第3四分位値−第1四分位値)

     ゼロ除算のセルのうち,「x/0(x=0)」は中央値に,「x/0(x>0)」は上限値に置き換える。さらに,過大・過小評価を避けるために,上限値を上回る値は上限値に,下限値を下回る値は下限値に置き換える。

     以上によって,ひとつのコーホート変化率のゼロ除算問題,過大・過小評価問題が解決される。そのほかのコーホート変化率,婦人子ども比についても,同様の手順で,問題を解決する。

    上位データとの整合性

     総人口について,国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口と比較した結果を示す。総人口をみるかぎり,両データの整合性は高いと考えられる。

    将来推計人口と比較

    図の説明:総人口の比較。本推計(紫色の線)以外は,国立社会保障・人口問題研究所による「国全体の将来推計人口」
    出典:国立社会保障・人口問題研究所『日本の将来推計人口(平成24年1月推計)―平成23(2011)年〜平成72(2060)年―』.

    そのほかの参考文献

    石川晃(1993):『市町村人口推計マニュアル』,古今書院.

    (林直樹・齋藤晋,2012年10月19日)





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