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    第5回:西村俊昭(農楽NOUGAKU)×林直樹(総合地球環境学研究所)【2008.4.22】
    田舎暮らしと「撤退」―「住む」ということ

    家を探す

    林:西村さんは現在農村にお住まいですが、家を探すのはなかなか大変だったのでは。対談風景その1

    西村:空家はたくさんあるのですが、なかなか貸してもらえませんでした。

    林:それは「貸すことができない」でしょうか。それとも「貸したくない」でしょうか。

    西村:「貸すことができない」でしょうね。集落の活動やお墓参りのときに戻ってきているみたいです。

    林:「都市住民はよくわからない(信用できない)」というよりは、向こう(農村住民)の都合のほうが大きいようですね。

    西村:ただ、貸してもらえるパターンは意外とあるような気がします。元の家の近くに新築して、家が空いた場合は貸してもらえるかなと思います。

    林:「空家バンク」というものがありますが。これについてはどうなのでしょうか。

    西村:貸してもらえるかどうかは、実際に行ってみないとわかりません。空家バンクがうまくいっていない理由もそういうところにあるのかなという気がします。


    職を持つ

    西村:農村地域に住むときには、遠隔地でもできる職種を持っていないとしんどいですね。農業だけではすぐに生計を立てられないし。

    林:確かに、農業だけではしんどいですね。しかも、農村にはあまり職種がありません。

    西村:だから、結局、芸術家や作家など、手に職のある人が農村地域に移住しやすいのでしょうね。


    逆の立場

    林:西村さんとは逆の話になりますが、「撤退」と言ったときに、どういうことをお考えになりますか。

    西村:住んでいる人が「もう住めない」と思ったときが「撤退」だと思います。そのときにちゃんと誘導できる施策がいると思います。

    林:「撤退」を行う際のネック(壁)はどのようなところにあると思いますか。

    西村:移転場所でしょうか。集落住民が移転してもいいという場所を本当に選択できるのか。我々は利便性で選ぶのかもしれませんが、集落住民の選ぶ基準には利便性以外の要因もあるのではという気がします。

    林:「撤退」というと、どうしても撤退元のほうに神経が行きますけど、どこに撤退するのかが大切ですよね。確かに、撤退を考えることは、移転先が見つかってからですからね。

    西村:今までに、「撤退」のフィールドを紹介してほしいといった話をしたことはありますか。

    林:まだです。集落移転のイメージがかなりわるいということもあって…。

    西村:なかなか行政は聞きにくいですからね。聞くとなると何か施策をしないといけないし、補償もしないといけないですからね。

    林:そうですよね。

    西村:だから、大学やNPOが「研究で(「撤退」を)やらせてください」というのがいいのかもしれませんね。


    情報発信を

    対談風景その2林:「この研究会にはこうあってほしい」といったご意見はありますか。

    西村:どこか1か所でもいいから、フィールドがほしいですね。実際にそこでやって得た経験が研究を説得力あるものにしますからね。

    林:確かに、「重み」を持たせるということが必要ですね。

    西村:あと、もう少し情報発信をしたほうがいいと思いますね。都市系のまちづくりでは、結構書籍を作ったりしているのですが、農村計画の本を買おうとしてもなかなかなくて。それに、学会で発表したり、本を出したり、発信さえしていれば、「撤退」のネットワークも作れますし。

    林:はい、本に関しては、実際具体的なレベルで考えています。本日は貴重なご意見をありがとうございました。

    撮影:齋藤晋
    編集:前川英城





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